営業チームのリーダーとして、どう振る舞えばいいの?
後輩を注意するときは、どんなことに気を付けるべきなの?
接し方は? 距離感は? そもそも部下を育てるには、どんな心構えが必要なの?
リーダーやマネージャーは、慣れないことや悩むことも多いでしょう。
今回の営業部女子課キャリアセミナーでは、リーダー経験のある現役女性営業職をゲストにお迎えして、実際の体験や、それに基づいたポイントやアドバイスをじっくり伺いました。ほんの一部ですが、パネラーお二人のお話を、2回に分けてご紹介します!
今回はパート2です。
【ゲスト】
武田紫央奈さん
2011年大手食品メーカーに入社。以来、一貫して食品量販店の営業担当として活躍中。2019年に営業企画部門(東京)を経験後、2020年に北海道でチームリーダーに抜擢された。男性社員が圧倒的多数を占め、女性や若手社員が退職をする人が多い中、結婚後も営業として顧客を持ちつつ、チームリーダーとして8名のメンバーをサポート。
進行:営業部女子課ソリューションプランナー青木静/佐藤珠美
―――はじめてリーダーになった時、どんな気持ちでしたか?
元々、尊敬する上司がいて、その上司が元のリーダーだったので、チームの成功が上司の成功にもつながると思い、前のめりな気持ちでマネージャーを引き受けました。部下に対しては、「このチームだったからこそ、自分が成長できた」と思ってもらえるようなチームにしたいという、熱い気持ちがありました。
―――マネジメントするうえで、大切にしていることはありますか?
部下に対して、スピードをもってリアクションをすること(クイックレスポンス)です。
マネージャーの中には、自分の仕事で手いっぱいになり、部下の仕事に対してリアクションが疎かになったり、遅くなったりする人もいると思います。
けれど、若い部下の立場に立つと「自分はちゃんと見てもらっているのか?」という不安があるのです。よい行動ならそう言ってほしいし、悪い行動ならフィードバックしてほしい。「反応がほしい」と思うのです。
それを見逃さないことです。だから、私もすぐにリアクションをするようにしています。特に、若い世代の部下なら、なおさらです。
―――部下が一回り以上年齢が離れているケースもあったりします。年の離れた部下とのコミュニケーションはどうしていますか?
私もかつて、私みたいな若手だと責任も比重も重くないから、私がやっていることはそんなにたいしたことないのかな……などと不安になった時期があります。
そんなとき、不安を取り除くような言葉を、上司から掛けてもらったのです。それが、すごく嬉しかったですね。
年齢差はあまり気にしません。共通するのは、まずは行動に対して褒めて、アドバイス。「次回は、~するのはどう?」とか。
動きが鈍い部下に対しては、遅くなった理由を聞いてみます。
―――部下が年上だったときは?
年上でも、年代関係なくオープンマインドで対応しています。
冗談半分で、「そんなこと続けば、契約しませんよ~」と、フラットに話すのが理想の組織と思っています。しかし、なれあいは禁物です。言うべきことは、はっきりと伝えます。
―――同年代の部下に対しては、どう接しますか?
同年代でも、分け隔てなく言います(笑)。理由は、「強い組織」を作りたいからです。
強い組織を作るためには、10人いる部下のうち、理解してくれるのは2人くらいでもいいと思っています。部下に遠慮して、言いたいことも言えないで、良いことしか言えない上司では、強い組織は作れないからです。
―――なるほど。部下に指示を出したのに、動いてもらえないときは、どうしていますか?
思うように部下が動いてくれないときには「あなたはどんな考えがあって、やっていないの?」と訊いてみる。やっていないことに対して、部下にはどんな考えがあったのかを質問します。すると、課題のボトルネックが見えてくることもあります。自分の中で決めつけないで、その背景を聴きだします。
―――部下同士がお互い連携して成果を上げられる組織にするために、どんなことが必要でしょう?
小さなことでもいいので、本人のモチベーションが上がりそうなことや役割を与えて、それぞれに先頭きって動いてもらうようにお願いします。
例えば、「このブランドは、あなたがメインで動くんだよ」と。小さいところでも良いから部下に依頼すると、部下は役割が明確になり、動けるようになります。
―――武田さんの今後の目標、キャリアビジョンを教えてください。
「強いチーム」に成長させていきたいです。このチームにいて、良かったと部下には思ってほしい。そして、周囲から「あのチームに行きたいね」と言われるような組織にしたい。そのために、私と同じテンションになるようにメンバーを引き上げ、引き寄せたいと思っています。
―――最後に、このレポートをお読みいただいている皆さんへメッセージをお願いします。
部下自身の性格は変えられません。しかし、部下の行動や考え方はマネージャーが変えられます。私自身が、過去にそうだったからです。かつての私はやさぐれていていましたが、尊敬できる上司に巡り合って考え方が変わりました。
また、すべての部下を変えようと思わない、というのも一つの手です。2~3人でいいので「この人は」と思う人に、まずは真正面から向かっていくこと。
そして諦めないことです。
武田さん、素敵なお話を有難うございました!
武田さんの「強いチーム」に向けての信念を伺い、ポジティブになれる時間でした。
パネルディスカッションの後には、参加者同志で、マネジメントに関わる課題解決法を共有しました。
- 部下に行動を改善してほしい時には、その理由だけでなく「どうなって欲しいのか」を具体的に伝えること。
- ときには自分の時間よりも部下との時間を優先することも必要。
など、様々なアイデアやヒントが出て、共有することができました。
なお、今回の営業部女子課キャリアセミナーでは、参加者の皆さんからも大満足の声をいただきましたので、一部ご紹介します。
部下の育成について、部下の考えや意見を聞くことの大切さを学びました。同じ立場のリーダー皆さまから直接話を聞くことができ、アットホームな雰囲気で質問、会話ができて大変有意義でした!
育成指導について、明日から使えそうなヒントをたくさん掴めました。パネラーお二人のまったく違うアプローチ法は大変参考になりました!
マネジメントについて皆さまの工夫点はとても勉強になりました!言わない(ほっとく)という選択肢もありですね!
★次回は5/19(木)新入社員~3年目若手営業職のお悩みは?★
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私たち営業部女子課は、みなさんのよりどころとなり、助け合い、支え会える「場」でありたいと考えています。
営業女子が決して「孤立無援」の状態にならないように。お互いにつながり、切磋琢磨しながら、少しでも前向きに歩き続けられるようにーー。