こんにちは!ソリューションプランナーの青木静です。
いつも営業部女子課を応援してくださる皆さま、本当にありがとうございます^^

さて、皆さんの中に、こんなお悩みを抱えている方はいませんか?

「指導しても、なかなか言うことを聞いてくれない部下がいて困っています」

「育成、指導、と言われても、正直どうやっていいのか分かりません」

 

実はここ1~2年、営業部女子課の活動にも、女性の営業リーダーやマネージャーの方にご参加いただくことが増えています。
2016年に施行された女性活躍推進法の後押しで、管理職にチャレンジする女性が増えていることが背景にあると考えられます。

とはいえ、そもそも女性営業職の割合は営業職全体の19(2022年度の労働力調査結果、総務省統計局)。

その中でリーダーやマネージャーを担当する人となると、かなり少数派です。役割を引き受けたものの、周りにお手本となるロールモデルがいないので、一体どのように部下と接すればいいのか、悩んでいる人も少なくないようです。

そこで今回は、営業マネージャー歴7年、ソリューションプランナー青木静が「指導してもなかなかいうことを聞いてくれない部下への対応法」について、実体験を踏まえながらまとめてみました!

 

青木 静 Shizuka Aoki

営業マネージャー歴7年・営業部女子課 ソリューションプランナー

メッセージ:営業女子は悩みが尽きませんよね。営業スキル、モチベーション、キャリアプラン、ライフイベントとのバランス等々。私も、何度も何度も悩みました。みなさんが、生き生きと楽しく営業を続けられるように、少しでもお役に立てたらと思っています。何かあればお気軽にご連絡&ご相談ください。

 

 

1.部下が「困っていること」を先に解決する!

こちらの話をなかなか聞いてくれない。
なんとなく関係性がぎくしゃくしている。

そんな部下をよく観察してみてください。何か困っていることはないでしょうか?

例えば、事務作業が苦手で手間取っている。得意先とトラブルになっている。
コミュニケーションをとって、そんな「困りごと」を聞きだしてみてください。
それらを真っ先に解決することで、信頼関係を作れることがあります。

 

わたしが新しい営業所の立ち上げでマネージャーとして着任した時のことです。着任したばかりで張り切っていたわたしは、新規開拓に力を入れようと、それぞれの部下の進捗リストを確認し、助言していました。

ところが、ある年上の男性部下が、訪問軒数、訪問回数ともあまり伸びません。理由を尋ねると「現在の取り組みで十分今期の目標をクリアできる」とのことでした。

確かに、今期はそれでいいかもしれません。

しかし、来期に向けての種まきを今しておかなければ、いずれ業績は下がってしまいます。そこでわたしは新規開拓を営業活動の中心にするように何回も促したのですが、彼の行動は変わりませんでした

そんなある日、彼と得意先の間にトラブルが発生しました。内容は詳しくお伝えできませんが、わたしも何とかこの事態を解決したいと思いました。そこで彼に何度も同行し、その得意先の社長と直接交渉する場を設けることができ、ようやく解決できました。

それ以降、彼はわたしの助言に耳を傾けてくれるようになったのです。

わたしはこのとき「部下が協力してくれない!」と批判する前に、まず自分が部下のために動くことの大切さを学びました。

 

ほかにも、やりにくそうにしている仕事があれば、効率を上げるための仕組みを作ってあげる、といったことも、信頼関係を築くきっかけになると思います。

信頼関係ができれば、部下も「あの人が言うなら、やってみよう!」「○○してもらったから、自分も協力しよう!」という気持ちになってくれるはずです。

 

2.部下の「叶えたいこと」を共有し実現する。

部下との面談ではつい、営業成績や目先の数字の話をしてしまいがちですが、わたしはあえて、こんな質問をするようにしています。

「これからどうなっていきたい?」

 

 

営業成績についてではなく、将来のキャリアや、なりたい人物像をどのように描いているのかを、自分の言葉で語ってもらうのです。

するとそれぞれが、夢や理想を持っていることが分かります。

「海外営業にチャレンジしたい」
「○○の分野でスペシャリストになって、後輩からも慕われるようになりたい」
「結婚して家庭を築きたい」

「結婚して家庭を築きたい」と話してくれた男性は、真面目で素直なタイプでしたが、営業成績が伸び悩んでいました。

プライベートな領域なので、結婚そのものをわたしが支援することはできませんが、仕事を通して、理想の自分に近づくことはできるはずです。
「結婚して家庭を築くために、仕事ではどうなっていきたい?」と尋ねると、彼はこう答えました。

「少しでも収入を増やしたい。営業で独り立ちして自信が持てるようになりたい」

 

そこで、彼が難しい課題に取り組むときは近くでサポートしたり、ひとりでできそうな仕事は陰ながらバックアップしたりしました。
目の前の業績ではなく、その先にある夢を見据えて、一緒に仕事に取り組んだのです。

やがて彼は成績が伸びました。そしてわたしのバックアップがどれくらい影響したかは分かりませんが、願い通りに結婚して家庭を持ち、幸せそうにしています。
その姿を見ることが、マネージャーにとっては最高のご褒美です。

 

3.マネージャーは「指導者」ではなく「先導者」「伴走者」「支援者」と心得る。

「マネージャーにならないか?」という打診を受けたとき、はじめは困惑しました。

「マネージャー」と聞いて、真っ先に思い浮かんだのは「力強い指導者」というイメージだったからです。皆を引っ張り、営業力の上がらないメンバーに指導しなければならない。

それなのに、自分には力強いリーダーシップも卓越した営業力もなく、指導をする自信もない。一体どうしたらいいのか、途方に暮れてしまいました。

 

悩みながらも引き受け、マネージャーを続ける中で見えてきたことがあります。それは、マネージャーは決して「指導者」ではないということです。

チームが目的を見失いそうな場合は、道の少し先に立ち、旗を振って目的地や方向性を示す「先導者」になります。
部下がその道を一生懸命進もうとしているときは、一緒に汗をかいてゴールを目指す「伴走者」になります。
道の途中に、超えるのが難しいハードルがあったときは、サポートする「支援者」になります。

 

指導者として力強く部下を引っ張り、自分の組織を作る必要はないのです。むしろ、こちらが部下のやり方に合わせて、一緒に成果を目指していけばいいのだと気が付きました。

重要なのは、これらの「先導」「伴走」「支援」を、場面や部下の個性に応じて使い分けることです。このさじ加減が難しく、失敗してしまった苦い経験は数えきれません(笑)。

先導しているつもりが、いつの間にかひとりよがりになっていて、振り返ったら誰もいなくなっていたこと。
丁寧に伴走するべき新人に対し、大切なことを伝え忘れて迷子にさせてしまったこと。
どう頑張っても解決できない問題に直面し、支援を途中でやめざるをえなかったこともありました。

 

「先導」「伴走」「支援」をいかにスムーズに、自然体でできるようになるか。わたしは今も、日々、訓練を続けています。

番外)頑張ったけど、どうしても辛くて苦しい時は「時(とき)を待つ」

マネージャーとしての心がけを守り、一生懸命に取り組んでも、思い通りにいかないことも、やっぱりあります。

うまくコミュニケーションがとれない部下に対して、毎日、言葉を選びながら話をして、歩み寄ろうと試行錯誤。それでも反発されてしまい「どうして○○さんとうまくいかないんだろう」と落ち込んで泣く。そんなことを繰り返した日々もありました。

 

しかし振り返ってみると、がんばってもどうしようもないことは「時間が解決してくれる」という面もあると実感しています。

わたしの場合は、話をなかなか聞いてくれない部下に対してずっと苦しんでいたところ、その部下は思わぬタイミングで異動していきました。

 

そもそも、組織は永遠ではありません。同じメンバーでずっと仕事をすることはなく、だからこそこのチームで頑張ることにも意義があります。
人はやがて、必ず入れ替わるのです。そう考えると、少し気が楽になります
実はこの「時間が解決してくれることもある」という考え方は、苦しい時に上司がくれた言葉です。今もお守りにしています。

マネージャーという役割は、人間力を試され、磨くことに繋がる仕事だと感じます。わたし自身、この役割を引き受けなければ、気付けないことがたくさんあり、成長できていると思います。悩み、もがきながら、続けてきてよかったと心から思っています。

 

皆さんの中にも「マネージャーを打診されたが、自分に向いていないと思うので悩んでいる」という人がいるかもしれません。そんな人には「一度チャレンジしてみては?」と言いたいです。

自分では強い指導者タイプではないと思っていても、実は「先導」「伴走」「支援」が得意という人は多いように思います。仮にはじめはできなくても、やってみれば、いつの間にか少しずつ成長していくこともできます。そしてその経験は大きな財産になると思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!!

少しでも参考になれば幸いです。

 


営業部女子課に参加してくださる皆さんは、所属する会社は異なりますが、認め合い、励ましあい、切磋琢磨し、悩みながらもより自分らしく楽しく営業職を続けたいと前向きで魅力的な方ばかりです。

わたしは勉強会を企画しながら、皆さんからたくさんの刺激と学びをいただいています。
これからも、様々な勉強会を企画しますので、楽しみにしていてくださいね!

 

 

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所属する会社は違うけれども、営業部女子課は、私たちが困ったときに駆け込める場所でありたいと思っています。

いいかえれば、営業女子の「心のお守り」である場所を、目指しています!

 

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