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イベントレポート
子育てと営業活動の「ジレンマ」 あなたが上司や先輩だったら、どうする?
具体例から考えるケーススタディ勉強会 開催しました!(後編)
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イベントレポート前編はコチラ:https://www.eigyobu-joshika.jp/blog/advice/00050/
イベントの後半では視点を変えて、「もし自分が、このケースのような女性の上司や先輩だったらどうするか?」というテーマで意見交換しました。
部下との向き合い方や解決方法について、SPと参加者の皆さんで話し合った内容のポイントをまとめます。
今回のケース
3歳、5歳の子どもを育てる、2児のワーキングマザー・桜井さん。
営業職で時短勤務をしているが、その中でジレンマを抱えている。
置かれている状況
- 営業にはやりがいを感じていて、外回りの活動も楽しいと思っている。営業成績が評価され社長賞受賞歴もあり。
- 現在は時短勤務中。夫と育児や家事は分担しているが、夫の出張が多く、家事育児は自分に負担が偏り気味。
- テレワークは許可されているが、仕事の進めやすさなどから基本的には出社している。
抱えているジレンマ
- 退勤時間間際に突発対応が発生、チームメンバーに対応してもらった。
快く引き受けてもらったが、残業をさせてしまったことに後ろめたい気持ちがある。 - 尊敬できる女性の先輩から、ベビーシッターや家事代行を進められたものの「家庭も大切にしたい」という気持ちがあり、気がすすまない。
- 新プロジェクトが始動し、後輩がメンバーに選ばれた。自分も気になっていた内容だったので、選ばれなかったことに悶々としている。
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SP坪倉
もし私が上司なら、まずは、当事者である桜井さんが仕事や家庭のバランスをどうしたいかについて、話しあうところからはじめます。人それぞれ理想のバランスが異なると思うので、それを理解する。そのうえで、本人に合わせて適切にサポートできればと考えています。
例えば、退勤以降はできるだけ子どもと向き合いたいという部下がいれば、定期的に仕事の状況を確認して、理想の状態が実現出来ているかについて会話する、といったことです。
参加者の方からは、こんな意見が出ました。
上司としてできることは、メンタルのケアだと思います。今は大変だとしても、時短勤務での営業職を経験していることはプラスだよ、と声をかけたいです。大変だとマイナス思考になりがちですが、今後、女性営業職が働き続けていく未来につなげていくには、このような試みが必要なんだ、と伝えると思います。
一方で、過去の経験から、部下として「上司にこうしてほしかった」「上司に対してこうすればよかった」というお話もありました。
私も時短勤務ですが、上司には、『仕事の結果』だけではなく、『仕事の質』を見て欲しかったです。『行動件数〇件』という目標を課されてしまうと、時短勤務だとどうしても不利になってしまいます。上司からは『7割ぐらい行けばいいよ』と言われていたけど、モヤモヤしました。
むしろ質の面を追求するような目標を掲げてもらえれば、時短だからできなかったという気持ちにはならなかったと思います。
また、悔やまれるのは、上司が実際のところどんなことを考えているのか、会話しなかったことです。同じ時短勤務の人どうしで『〇件なんて、できるわけないよね~』と言い合い、勝手に自分の中で諦めて、数を追わない対応をしてしまったことです。
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ここまでのお話を受けて、管理職経験者でもあり、キャリアコンサルティング技能士1級資格者でもあるSP青木から「ミニ解説」が行われました。
今度は「自分が桜井さんの上司だったら」という視点からの解説です。以下に、ポイントをまとめます。
- まずは、仕事も育児も家事も毎日頑張っている、当事者である部下の気持ちを受け止めましょう。
- そのうえで、部下が抱えているものを「表面的な問題」「悩み」「本質的な問題」に分けて整理します。
表面的な問題
「時短勤務で、担当件数や業務量がこなしきれない」という問題が起きています。
悩み
- ①について、「その結果、自分の評価が下がるのでは?」という心配をしています。
- 「今後、周囲にどこまで協力をお願いできるのか?」と悩み、「気になっていたプロジェクトに選ばれなかった」ことへのモヤモヤもあるようです。
本質的な問題
いずれもコミュニケーションをとることで、「思い込み」が払拭され、悩みも解消できる可能性が高そうです。①については、そもそも担当件数や業務量が多い可能性があります。
②については、評価基準を正しく把握しないまま、推測で心配しているかもしれません。プロジェクトのチームメンバーの選定理由も、本人に伝えられていないのではないでしょうか。
つまり、本質的な問題は「上司やメンバーとのコミュニケーション不足」と言えそうです。ですから、以下のようなコミュニケーションをとることで、解決につながっていくと考えます。
- 上司と当事者で、当事者に求められていることや中長期のキャリアビジョンについて共有する。
- 業務の進め方や当事者の役割について、メンバーとシェアする。
初めての「ケーススタディ勉強会」を終え、参加者からは以下のような感想が寄せられました。
自分の職場には、こういった経験やケースについて話したり考えたりする環境があまりなく、情報がゼロだったので、今回、すごくためになりました。悩みを抱えている人は沢山いると思います。前向きな環境が作れたらいいなと思います。
状況は1人ずつ違うと思うし、課題も異なると思いますが、それぞれのやりたいこと、できることを、メンタル面を考慮しながら、みんなで考えていけるといいなと思います。今日のテーマは会社でも話し合えたらいいなと感じたので、いつか企画してやってみたいです。
▼イベントレポート前編はこちらから
【イベントレポート①】あなたなら、どう解決する?「未就学児を2人抱えての営業活動」(前編)
「営業職の女性」であるという、共通点がある私たち。
所属する会社は違うけれども、営業部女子課は、私たちが困ったときに駆け込める場所でありたいと思っています。
いいかえれば、営業女子の「心のお守り」である場所を、目指しています!
これからも営業部女子課は、「女性営業職の当事者コミュニティ」として、現場の皆さんに寄り添い、キャリアに役立つ場を提供して参ります。ぜひ今後ともご参加ください♪
★過去の開催レポートはこちら
私たち営業部女子課は、みなさんのよりどころとなり、助け合い、支え会える「場」でありたいと考えています。
営業女子が決して「孤立無援」の状態にならないように。お互いにつながり、切磋琢磨しながら、少しでも前向きに歩き続けられるようにーー。