こんにちは。ソリューションプランナー(以下、SP)の青木です。

営業部女子課では、7月に「ケーススタディ勉強会」をスタートさせました。

これは営業の現場で起こり得る問題やその場面を具体的に想定し、みんなで一緒に考えてみようというイベントです。

背景には、営業職として働く女性が少しずつ増え「こんなとき、どうすればいいの?」という具体的な質問をいただくことが多くなってきたことがあります。

 

今回は、あるケースを想定し、営業部女子課のイベント運営に携わるソリューションプランナー(SP)どうしで語り合ってみました。対談の内容をお届けします。

 

青木

食品メーカーに勤務し、法人営業19年目です。2歳と4歳の子供がいて、いまは一旦マネージャーを離れ、時短勤務のプレーヤーとして奮闘中。時短でも成果を出すためにはどうしたらいいか、日々模索しながら過ごしています。

 

坪倉

人材系企業に勤務し、4歳と8歳の子育てをしながら、時短で営業マネージャーをしています。仕事も家庭も大切にするにはどうすればいいか日々、トライ&エラーを繰り返しています。

 

題材にしたケース

メーカーに勤務する女性営業職の高田さん、33歳。
最近、キャリア面談で上司から「将来、管理職になる意思はあるか?」と尋ねられましたが、答えに詰まってしまいました。

それというのも、「管理職に対するマイナスイメージ」があり、職場の環境や家庭の中に「将来のビジョンが描けない」と感じる要素が複数あるからで――。
指定された返答の期限までに自分の考えをまとめて、納得できる返事をしたいが、一体何を重視して考えるべきか、誰に相談していいかもわからず困っています。

 

つい、管理職へのマイナスイメージが先行してしまう

青木
高田さんのように、管理職と聞いて「大変そう」「忙しそう」というマイナスイメージが先行してしまう方は少なくありませんよね? 

私も、日ごろの仕事で上司を見ていると、部下からの相談ごとや上からの指示など、四方八方から仕事が飛んできて「忙しそうだな~」と思う場面が少なくありません。
坪倉さんは、この高田さんのケースを見たとき、率直にどう感じましたか?

 

坪倉
具体的な業務がわからないからこそ、とにかく大変そう、忙しそうと感じてしまうのだろうなと思いました。「私もマネージャーになる前はそうだったなー」と、とても共感します。

 

青木
そうなんですか? ちなみに坪倉さんは、営業マネージャーになる際、どんなふうに打診を受けて、どうして引き受けようと決心したんですか?

 

坪倉
実は私も、入社当初は役職に全く興味はありませんでした。当時、課長になっていた女性の先輩がいたのですが、「超バリキャリ」のイメージで仕事一筋。自分とは違う存在のように感じていました。

 

青木
その状況の中で、どうしてマネージャーに?

 

坪倉
営業のやり方を一通り覚え、後輩指導もやるようになって係長の仕事ができるようになったと感じた時、このままでいいのかな~と思うようになったんです。また、その当時の課長に不満があり、このまま不満を言い続けるのか?と自問自答を繰り返していました。

そんな中、会社のトラブルで、ある女性役員の方が意思決定に携わる場面に遭遇し「意思決定に携われるっていいな」と思ったのです。

不満を言い続けるか。それとも自分が意思決定できる立場になって環境を変えるか真剣に考えるようになりました。

 

まずは誰かに相談してみる

青木
なるほど。坪倉さんはそのような転機があったわけですね?一方で今回のケースの「高田さん」は、自分の考えをまとめようにも「一体何を重視して考えるべきか」「誰に相談していいか」もわからず困っているようです。

 

坪倉
私の場合は、マネージャー経験がある先輩に相談しました。すると「やれるよ!」と背中を押され、マネージャーをやろうと覚悟が決まりました。

 

青木
経験者への相談は大きなポイントになりますね?

 

坪倉
そう思います。そして私も先日、メンバーから今後のキャリアについて相談を受けました。マネージャーとして仕事を続けようか、営業以外の分野にチャレンジしようかという内容でした。

 

青木
どのように対応したんですか?

 

坪倉
「いま、少しでもやりがいや楽しさを感じているなら、もう少し続けてみてもいいんじゃない? 職種転換はそれからでも遅くないと思うよ」と。

それというのも、きっと彼女は心のどこかで管理職をやりたいと思っているんじゃないかと感じたからなんです。全くやりたくないのであれば、相談すらしてこないですよね?

 

青木
確かに!

 

坪倉
今回のケースの高田さんも、上司に聞かれて即座に断ったわけではなく「どうしたらいいか分からず困っている」と言っています。

そのように、迷っている、悩んでいる、誰かに相談したいと思っている自分自身を信じることも重要なんじゃないかと思うんです。

 

青木
誰かに相談することで視野を広げたり、自分の気持ちを整理したりできるかもしれません。本当は心のどこかでやりたいと思っている自分に気づくということもあるかもしれませんね?

 

 

自分が何に「やりがい」を感じるか理解する

青木
とはいえ、相談して、自分の気持ちに気付いても、やっぱり悩む気がします。管理職を引き受けるかどうかは、それだけ大きな問題です。

高田さんのケースでは、何を重視して意思決定したらいいと思いますか?

 

坪倉
意外に思われるかもしれませんが、結局は自分の「やりがい」が一番大事だと思います。実際、私もそこを重視しました。

 

青木
というと、どういうことでしょう?

 

坪倉
自分は一体、どういうことに「やりがい」を感じられるだろうか?と考えてみたんです。今回のケースの高田さんも、今までは、営業スキルを高めて、お客様に喜ばれる提案をして、成果が出たときにやりがいを感じていたと思うんです。

一方、管理職になれば、メンバーの成長をサポートし、どんなマーケットをどう攻めるかという戦略を立て、メンバーに実行を促します。その結果は社内だけではなく、社外にも広く影響していきます。そこがうまくいったときにやりがいがあるはずです。

 

青木
仕事が変われば、やりがいも変わると。

 

坪倉
管理職になることは「お客様への責任」を重視するところから、「チームへの責任」に軸を移すことです。私はそこに「やりがいを感じられそうだ」と自己分析したので、引き受けました。

 

青木
ライフイベントとの両立については悩みませんでしたか?

 

坪倉
そこは「分けて」考えました。いつ、どんなライフイベントを迎えるかということと、自分が仕事上の何にやりがいを感じるか?は全く軸が違うからです。ライフイベントを迎える、迎えないに関係なく、まずは自分がどこにやりがいを感じるかを考えました。

 

青木
自分が何にやりがいを感じるかを理解する。つまり自分の価値観を見極めて決めるというのは、ひとつの指針になりますね。

 

 

もし自分が高田さんの上司だったら

青木
ここまで「自分がもし高田さんの立場だったら」ということで考えてきましたが、ここからは、自分が「打診する側の上司だったら」ということで考えてみたいです。坪倉さんならどうしますか?

 

坪倉
自分の経験を踏まえて、管理職とは決して「ただ大変なだけ」ではないと伝えたいですね。

管理職になると、営業以外のスキルの幅が広がります。人を育てる力や、調整能力も身についていきます。そしてそのスキルは、もしまたプレーヤーに戻ったとしても、絶対生きてくると思うんです。

 

青木
なるほど。結局は、未来の自分にプラスになっていく。

 

坪倉
そう思います。だから高田さんには「不安はあるかもしれないけど、まずは小さな一歩を踏み出してみることが、未来の自分の可能性を広げるカギになるよ?」と、自分の経験を伝えたいです。

 

むしろ自分でコントロールできる範囲が広がる

青木
水を差すようですが……そうはいっても、営業マネージャーをやっている坪倉さんや、自分の直属の上司も、やっぱり大変そうに見えます(笑)。高田さんも、そこを懸念しているのではないかと思います。

 

坪倉
いやいや、そもそも「大変じゃない仕事」なんてないですよ。それと「管理職は大変に違いない」と言う人にそっと教えてあげたい情報として、実は管理職のほうが、自分で担当を持つよりもコントロールできる部分が多いと思います。

 

青木
具体的に言うとどういうことでしょう?

 

坪倉
お客様の対応はメンバーに任せることができます。もちろんトラブルやクレームなどで急な対応に追われることもありますが、それ以外については自分で段取りを組んでコントロールすることも可能です。自分で時間管理し、子どもの保育園のお迎えがあるので17時には退勤しています。

社内のメンバー、上司や他部署など四方八方を調整するのは慣れるまで大変でしたが、慣れれば何とかなりました!

 

青木
なるほど。自分がやらなければならないことメンバーに任せることを分けて、コントロールできる部分を見つける。自分自身をマネジメントできるようになるということですね!

 

 

 

「営業職の女性」であるという、共通点がある私たち。
所属する会社は違うけれども、営業部女子課は、私たちが困ったときに駆け込める場所でありたいと思っています。

いいかえれば、営業女子の「心のお守り」である場所を、目指しています!

 

これからも営業部女子課は、「女性営業職の当事者コミュニティ」として、現場の皆さんに寄り添い、キャリアに役立つ場を提供して参ります。ぜひ今後ともご参加ください♪

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